ライト.a精神科学研究所ブログ

ライト.a精神科学研究所 埼玉県鴻巣市でセラピストとして活動しています。様々な悩みご相談ください。

 「甘えと依存を満たし、冒険心と自立を育てるそこに居る、穏やかな母」 ブログNo.112

  

   

 

冒険心

 

1歳頃から直立歩行し、自分の足で行きたい所へ行きます。

これまでのハイハイとは視線の位置がちがい、見える世界が格段に広がります。

動き回る子供の後を追いかけて、見守るのは大変です。

そのため、子供が「外に行きたい」と言っても、「ダメ」の一言で禁止します。

サークルで囲い、その中でだけ動いたり、犬のようにリードを付けられたり、柱に括りつけられたという例もあります。

 

見るもの触るもの、子供の興味・関心を惹き、その対象に向っていく行為を「冒険」と言います。

この冒険心が好奇心を育て自我を作り、自立へのトレーニングになります。

それには相当な自由が与えられないと冒険も,自立のトレーニングもできません。

ここでつまずくと、先には進めません。

 

これまで母といつも一緒だったところから、自分の行きたい所へ行く冒険心が生まれたことによって、母から離れることなります。

まだまだ母に甘え依存したい子供は、母から離れましたが、また母の元に帰り再接近します。

これが1.5~2歳の時期です。

母にまとわりつきたい欲求と、母を押しのけて自分の行きたい所に行く欲求、それは母への依存と、母からの自立であり、この相反する行為が生じます。

 

この時、離れても帰っていける母という母港が無いと、依存しながら自立するという矛盾する行為をうまく統合できず、子供は二つに引き裂かれてしまいます。

母がそこにいつもいるという安心感から、子供は母から離れる距離を少しずつ長く伸ばしていきます。

矛盾することを統合することで心が成長します。

 

 

安心・安全、母の支え

 

子供が一人で歩くことは、危険に遭遇すること、安心・安全に背を向けることです。

子供が冒険できるには、安心・安全の環境を支える母がいる。

外に出かけたり、旅行に行くにも、帰る場所、家があるから行けます。

子供が冒険できないのは、安心・安全、母の支えがないからです。

  

    

 

家庭内に争いが在ったり夫婦仲が悪いと、子供は敏感に察し、両親が離婚して母が居なくなるかもしれない、出ていくかもしれないと不安で、母の傍を離れられません。

これが不登校の一つの原因としてあります。

お母さんが居なくならないように見張っていなければならず、学校に行っている場合ではないのです。

 

子供なりに冒険に出て母の元に帰ってきたときに、母に抱き着き甘え、依存します。

母の機能は、“そこに居る”ということです。

子供はいつ帰ってきても、母が居ることで安心します。

私事ですが、仕事を持ち外で働いていた母は、私が学校から帰ってもいないことはわかっているのに、帰宅時に毎回祖母に「お母さんは?」ときいていました。

 

依存と冒険を何度も繰り返した後、母から完全に独立します。

その途上で出会った対象との関係と、他者をモデルとし理想自我を描き、自分が目指し理想とする自己(自我理想)を発見し形成していきます。

自我を達成し確立して、その集積が自己になり、アイデンティティになり、自律になります。

 

甘えと依存が欠損し戻れる場所、母という母港が無いと、冒険が中途半端で冒険心、チャレンジ精神が育ちません。

頓挫し挫折と失敗、達成できなかった無力感、自分の力の無さを痛感します。これでは自己愛が傷つきます。

その場合には、癒しと甘え、修復が必要です。

これは年齢が低いほど、親による育て直しができますが、大人になると時間と労力とお金がかかります。

早期に気づき、備給、修復することが肝要です。

そのために先人たちは学問として精神分析を残してくれました。

 

 

穏やかな母と程よさ

 

母は子供にとって、程よい刺激と心地良さをもたらす存在であり、それを備給する能力がある人です。

そして、その能力とは“穏やかな心”です。穏やかな母という環境の中で、子供は安心し安定した心で過ごします。

 

程よさとは、母の適切な all ok の対応によって、子供に程よい刺激と興奮が生まれます。

例えば、80%欠乏した場合、一気に欠けたものを埋めて満たそうします。

依存中毒にまで欠乏すると、程よい甘えでは満たせません。

心は20%枯渇状態で動きません。この心を興奮させ鼓舞するために薬物を使い、外から強力な刺激を与え、強制的に心を盛り上げようとします。

   

    


依存対象は薬物だけではなく、アルコール、ニコチン、カフェイン、買い物、ギャンブルなど様々あります。

これらは全て刺激です。

残酷なシーンをネットで見ることも刺激になります。

わざわざ、残酷なシーンを探して見続けるクライアントがいます。

自分の中にある破壊・攻撃性を、映像として見ることで放出し、それによって脳を刺激します。

しかし、残酷さに見慣れていくので、より強い刺激を求めるようになり、麻痺していきます。心は荒んでいきます。

程よい母が居なかったということです。

いえ、むしろ過酷な環境の中で育ち、とんでもない母だったということです。

 

子供の要求に100%応えるall ok 言われたことだけする、敏速、的確の対応が子供の心を育てます。

 

   ライト.a精神科学研究所 登張豊実

 

(LAFAERO1大澤秀行氏著書 『メタ言語』講座より筆者まとめ)。

 

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